【日立製作所】 第1弾 : システム全体を見据え、流通BMSの導入と事業の負荷軽減を支援

株式会社 日立製作所
産業・流通システム事業部 流通システム本部
第二システム部 部長
山田 直明 氏

 

 「流通ビジネスメッセージ標準(以下、流通BMS)」の「基本形Ver.1.3」が公開されて、流通BMSは本格的な普及時期に突入した。日立は、流通BMSの検討がスタートした2003年から経済産業省事業に参画し、メッセージの策定から共同実証にも取り組んできた。これらの活動の成果を注ぎ込んで開発した日立流通EDIシステム「HITREDI」を中核として、お客さまのシステム全体を見据えて、従来のシステムインテグレーション力と融合し、基幹システムにまで踏み込んだ業務改革を支援しようとしている。

 その取り組みが目指す方向性について、日立製作所 産業・流通システム事業部 流通システム本部 第二システム部 部長 山田直明氏に聞いた。

 

 

「基本形Ver.1.3」がリリース 標準化策定に取り組んできた日立

- まず、これまでの流通業界における標準化の取り組みについてお話しください。


山田氏
 これまで流通業界では、急激な市場構造の変化に対応するために、商品開発や物 流の見直しなどに取り組まれてきました。その中で、一昔前は競争領域として考えられていたEDI(電子交換データ)を標準化し、業界間の効率改善を、業界全体の共通課題として取り組み、部分最適から全体最適を目指すようになってきました。

 

 

- 流通業界にとって、「基本形Ver.1.3」の公開は、どのような意味を持っていますか。

 

山田氏

 2008年までの検討作業で、一通りのメッセージは出そろっていましたが、メッセージを 統合し、よりシンプルにすることで、商品カテゴリーにとらわれないプロセスとして、適用可能な範囲を拡大しました。全体最適への関係者の熱意と、標準化にかけた膨大な時間が結実したものが、「基本形Ver.1.3」です。通信時間の短縮や企業の個別対応コストの削減などのメリットだけでなく、流通BMSによって、業務プロセスの合理化などが進めば、伝票レス化や物流業務の合理化などを通じて、CO2削減などの多くの効果が期待できます。

 

 

- 日立は、標準化策定にどのように取り組んできましたか。

 

山田氏 

 日立は、2003年度から「流通サプライチェーン全体最適化促進事業」に参画して、 標準化の策定作業に携わってきました。「流通システム標準化事業」では、スーパー・百貨店・チェーンドラッグストア・ホームセンターの各業界における共同実証を、お客さまと一緒になって実施しました。

 

 

標準化策定におけるノウハウを「HITREDI」に結実


- EDIにおける多彩なニーズに応えるために、どのようなソリューションを提供していますか。

 

山田氏

 日立では、トータルEDIソリューション「REDISuite」で、自社構築モデルからセンターサービスモデルまでを網羅した、4つのソリューションを提供しています。自社構築モデルでは、大規模システムからクライアントモデルまで、お客さまのビジネススケールに応じたソリューションをご用意しています。
さらに、各種EDI業務をASPサービスとして提供するセンターサービスもご用意しています。そのため、お客さまのさまざまなニーズにお応えする事ができます。これらのソリューションの中核として、実際にEDI業務を担っているのが日立流通EDIシステム「HITREDI」です。

 

 

- 基本形Ver.1.3が策定されたからといって、すぐに流通BMSの導入に踏み切れない企業も多いと思いますが。

 

山田氏

 HITREDIを開発した背景には、「流通BMSへの移行期の流通業界のお客さまを支援したい」という日立の思いがあります。流通BMSへ移行するまでの間、既存のレガシーフォーマットを、流通BMSフォーマットに変換し伝送する役割もHITREDIで実現できます。流通BMSに準拠した統一フォーマットでのデータ交換はもちろん、既存の基幹システムとのスムーズな連携も可能です。HITREDIが流通BMSへの段階的かつ柔軟な移行を支援します。

 

 

- HITREDIには、どのような特長がありますか。

 

山田氏

 HITREDIには、小売業向けで大規模システムにも対応した「HITREDI/Manager」とメーカー・卸売業向けの「HITREDI/Server」があります。共同実証を実施していく中で出 てきた、機能的な改善点や構築ノウハウなどをリアルタイムに盛り込み、使い勝手の良いパッケージに仕上げました。

 

 

お客様の抱える問題を解決し流通BMSの導入を支援 

 
- HITREDIには、流通BMSの導入を支援する機能として、どのようなものがありますか。

 

山田氏

 小売業からの発注データには、多数の引き継ぎ項目が組み込まれていますが、メーカー・卸売業では直接必要としない引き継ぎ項目もあります。そこで、小売業からの発注データをいったんHITREDI内に蓄積し、メーカー・卸売業側では、必要な項目だけを取り込み、小売業へ返す事前出荷通知(ASN)データ項目に、蓄積していた引き継ぎ項目を自動的に付与して返送する機能をオプションとして提供しています。メーカー・卸売業にとっては、使用しない引き継ぎ項目をHITREDI内で保持するので、既存システムの改修負担などが軽減できます。

 

 

- 流通BMSの導入を契機に、伝票レス化を目指す企業も多いと思いますが。

 

山田氏

 伝票レス運用の要となるのが、ASNデータの精度向上です。そこで、小売業からの発注データとメーカー・卸売業からのASNデータを比較し、不整合データの流入を防止する 機能をオプションとして提供しています。こうしたお客さまが抱える問題をEDIパッケージで解決できれば、流通BMSの導入負荷をもっと軽減できるのではないかと考えて、HITREDIのオプションとして提供しています。

 

 

お客様のシステム全体を見据え今後も機能を強化


- 流通BMSの導入を検討している企業が、日立を選ぶメリットは何でしょうか。

 

山田氏

 日立ではEDIというくくりだけではなく、お客さまのシステム全体を見据えて、「いかにお客さまの業務負荷を軽減できるか」といった視点で対応させていただいています。お客さまが抱える問題に対して、長年この分野に取り組んできた日立ならではの回答が示せると思います。

 

 

- 日立は今後、EDIソリューションをどのように展開していきますか。

 

山田氏

 今後もより使いやすく魅力的な製品を提供していけるように、HITREDIの機能もエンハンスを繰り返し、オプションも増やしていきます。たとえば、伝票管理システムをHITREDIのオプションとして提供し、伝票番号を採番する機能や参照・訂正できる機能を追加するなど、基幹システムの領域までをカバーするソリューションへと育てていきたいと考えています。

 

 

- 最後に、流通BMSの導入を検討している企業へのメッセージをお願いします。

 

山田氏

 今後は、業界を挙げての流通BMSの本格的な普及段階に入ると予想されます。日立もこれまで以上に、流通BMSが流通業界全体の標準EDIになるための努力を重ねていきます。また、2009年度の経済産業省事業である「流通BMSの導入による効果算定に関する調査研究事業」の成果をもとに、流通BMSの普及説明会などを通じて、まだ導入をためらっているお客さまの手助けになれればと考えます。

流通BMSは、EDIの領域にとどまらず、トータルサプライチェーンの中核となって、日本の流通業界の競争力を高める重要な切り札なのです。

 

 

※REDISuiteは、日立製作所と日立システムズが提供する流通業向けEDIソリューションの総称です。

 

 

 

 

 

 

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