【日立システムズ】 第7弾 : SaaS型EDIシステムの導入で運用効率の向上と事業継続性の確保を実現

ヘインズブランズ ジャパン株式会社
インフォメーションテクノロジー部
今村敏英 氏

 

 アパレルブランドの「Hanes(ヘインズ)」と「Champion(チャンピオン)」などの商品企画・製造・販売を行うヘインズブランズ ジャパン株式会社。卸売業として量販店や百貨店などに商品を供給する同社は、得意先からの要請に応じて流通BMSの導入を検討。システム基盤に日立システムズの流通BMS対応EDIソリューション「REDISuite(レディスイート)卸向けSaaS」を採用し、2011年10月より大手百貨店とのデータ交換を始めている。SaaS型のEDIシステムによって同社はシステム運用負荷の軽減を実現するとともに、事業継続性の確保に成功した。導入の経緯を同社インフォメーションテクノロジー部の今村敏英氏に聞いた。

 


運用効率の向上を目指し個社対応の既存システムを流通BMSに統合

 

 アメリカに本拠を置く世界的なアパレルメーカー「ヘインズブランズインク」の日本法人として1992年に設立されたヘインズブランズ ジャパン。カジュアルブランドのHanes(ヘインズ)や、スポーツカジュアルブランドのChampion(チャンピオン)の販売事業を拡大する一方、1999年には米国ラルフローレン社とライセンス契約を結び、同社のメンズアンダーウェアやパジャマなどの製造販売を展開している。さらに2003年から2004年にかけてはレディースインナーウェアブランドのPlaytex(プレイテックス)やWonderbra(ワンダーブラ)を新規導入し、積極的な事業戦略を進めてきた。

 

 商品の販売ルートは、百貨店から大手スーパー、量販店、ジーンズカジュアルショップ、ディスカウントストア、専門店、セレクトショップ、ネットショップ、カタログ通販、TV通販まで多岐に渡る。そのため同社では約50社ある得意先に応じたEDIシステムを個々に構築し、個別仕様でデータ交換を行ってきた。しかし、得意先ごとにネットワークもシステム環境もデータ形式もすべて異なることから、システム部門にかかる運用負荷は少なくない。インフォメーションテクノロジー部の今村敏英氏は既存のEDI環境について次のように語る。

 

 「通信手順をひとつ取っても、JCAから全銀TCP/IP、専用FTP、パッケージを使ったHTTPS、Web-EDIなど複数に分かれています。システムが異なれば、データの中身もそれぞれ異なるのは当然で、トラブルが生じるとシステム部門は問題を一つ一つ確認しながらつぶしていかなければなりません。可能な限り運用を自動化することで負荷の軽減に努めてはいるものの、運用人員が少ない中では限界が生じていました」

 

 こうした課題が顕在化する中、2009年前後から流通業界全体で流通BMSの導入機運が高まり、同社にも対応が求められるようになる。
 「小売業の取引先説明会などに参加して調査を進めていくと、流通BMSはシステムの標準化や運用業務の省力化につながることが理解できました。そこで、得意先のひとつである大手百貨店が流通BMSに切り替えるタイミングに合わせて、新たなEDIシステムを導入することにしました」

 

 

サービス利用型の「REDISuite卸向けSaaS」で事業継続性を確保

 

 EDIシステムの選定にあたり、ヘインズブランズ ジャパンが重視したポイントは運用業務の省力化と、事業継続性の確保の2点だ。その結果、システムは自社導入型でなく、外部のサービスを利用するSaaS型に決定し、複数候補の中から日立システムズの流通BMS対応EDIソリューション「REDISuite卸向けSaaS」を採用した。

 

 「得意先に商品を安定供給するためには、事業継続性の確保は欠かせません。システムが停止したり、ネットワークが切断したりしてしまうと、得意先の発注データを受けられず、お客さまに迷惑をかけてしまうことになります。そのためにはシステムの二重化が必須ですが、全ネットワーク環境の二重化まではコストの問題もあり難しい状況です。限られたコストの中で事業継続性の確保を検討する過程において、日立システムズから提案を受けたのがSaaS型のEDIシステムでした。その中で、イニシャルコストやランニングコストを抑えられることも評価のポイントとなり、採用を決定しました」(今村氏)

 

 2011年4月から新EDIシステムの導入に取り組んだ同社は、1社目となる大手百貨店との取り引きを2011年10月から開始。現在は商品マスター、納品提案、発注、入荷予定、検品受領の5メッセージをデータ交換している。

 

 導入のポイントについて今村氏はデータのフォーマットを流通BMSのルールに合わせるマッピング作業をあげた。
 「ルールに合わせる細かい作業で苦労しましたが、問題の切り分けに関しても日立システムズのエンジニアから指導を受けながら進めた結果、無事難局を乗り切ることができました。共同で作業を進めたことで、流通BMSに対する理解が進んだことも確かです」

 

 

24時間・365日のサポート体制と流通BMSを熟知したノウハウを活用

 

 現在は新EDIシステムが稼働してから2カ月程度のため(2011年12月時点)、定量的な効果を測定するまでに至っていないが、システム運用の自動化など成果は確実に現れつつある。現時点で流通BMSに対応している得意先は1社のみではあるものの、データ交換のすべてが完全自動化されたことで運用効率が大幅に向上した。特に1万5000点もの商品マスター登録が自動化された効果は大きく、これは標準で対応するREDISuiteでなければ実現できなかったという。「従来環境では、営業担当者が受けた発注オーダーを、社内のカスタマー担当者が手作業でシステムに入力していました。しかし今回、完全自動化によって入力にかかっていた30分、1時間の作業時間がなくなり、空いたリソースを別の業務に割けるようになったことは大きな成果です」と今村氏。

 

 さらに日立システムズによる24時間・365日のサポート体制も、システム運用人員の少ないヘインズブランズ ジャパンにとって安心感につながっている。「流通BMSを初めて導入するうえで、頼れるITベンダーが身近にいるメリットは大きく、電話で問い合わせすると些細なことでも的確なアドバイスがいただけます。自動化について分からないことを相談した時は、バッチファイルを作って送っていただいたこともありました。日立システムズは、流通BMSの標準化事業がスタートした当初から取り組んできた歴史もあることから流通BMSに関するノウハウを多く蓄積しており、最新情報をいち早く提供していただけることもメリットです。取引先説明会に参加して理解できないことがあった場合でも、後から日立システムズに相談できるので、安心して流通BMSに取り組むことができます」(今村氏)

 

 ヘインズブランズ ジャパンでは今後、得意先の要望に応じて流通BMSによるデータ交換を拡大していく方針だ。現在は2012年度中の実現に向けて、大手百貨店や大手流通グループとデータ交換を行う準備を進めている。また、将来的には既存の従来型EDIをREDISuiteに移設し事業継続に備える計画も構想中だという。最後に今村氏は「SaaS型のEDIシステムを採用したことで、得意先の追加にも柔軟に対応できる環境が整いました。日立システムズには事業継続性の確保に向けてさらなる支援を期待しています」と語った。

 

※REDISuiteは、日立製作所と日立システムズが提供する流通業向けEDIソリューションの総称です。

 

 

 

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