【インテック】第4弾 : 流通BMS対応メッセージを物流要件に合わせて自動修正

株式会社サトー
ソリューション推進部
ソリューション営業グループ
担当課長
高山 暁氏

 

 受発注業務の効率化に注目が集まりがちな流通BMSだが、メーカー・卸売業の物流現場では、ラベル発行や出荷業務の効率化が依然として進まない現実がある。そこに起因するのは、小売ごとに異なる発注メッセージや値札作成メッセージの壁だ。メーカー・卸売業は流通BMSのメッセージを、小売納品要綱に合わせて修正しなければならない。
 そこで今回は、SCMラベルやラベルプリンターを手掛けるサトーが、インテックとインターコムとの協業によってリリースしたクラウド型の流通BMSデータ共通化サービス「RetailComPass(リテールコンパス)」について紹介する。

 

 

メッセージの小売業単位の個別化解消と、項目の情報不足解消が課題

 

 1940年、竹材加工機械の開発・製造・販売からスタートしたサトー。62年に値札印字用の「ハンドラベラー」を発明して以来、プライスマーキングのパイオニアとして市場を開拓してきた。現在は、ハンディターミナル、ラベル発行用プリンターなどのハードウェア製品と、ラベル・タグなどのサプライ製品、出荷検品用パッケージ、倉庫内物流パッケージ、ラベル発行ASPサービスなどのソフトウェア製品など、自動認識システム関連事業をトータルに展開。物流、製造、小売、食品、メディカルの各分野において、システム提案から導入後の保守サポートまで、ワンストップサービスを提供している。

 

 流通BMSへの対応が流通業界全体で進む中、長年にわたってメーカーや卸売業のSCMラベルや物流ラベルの発行業務をサポートしてきたサトーには、ユーザーが抱えるある悩みが寄せられた。

「流通BMSによって確かに受発注のフォーマットは整いつつあります。しかし、物流業務に必要となるメッセージ項目は小売業単位の個別化が解消されず、データ項目の情報が不足するケースも散見されました。そのため、メーカーや卸売業はJCA手順で実施してきた個別対応を流通BMSでも迫られることを恐れ、移行に二の足を踏んでいたようです」とサトー ソリューション推進部ソリューション営業グループ担当課長の高山暁氏は説明する。

 

 こうしたメーカーや卸売業の問題を解消するために サトーは新たなソリューションの開発に着手。そして、同社の豊富なノウハウから生まれたのが、クラウド型の流通BMSデータ共通化サービス「RetailComPass」だ。

 

 

メッセージ項目を対象にデータの補足処理・変換処理を自動化

 

 RetailComPassは、流通BMSのメッセージ項目を、各小売業のラベル発行・出荷業務に合わせてデータの補足処理・変換処理を行うサービスだ。メッセージ項目に格納されているデータが流通BMSの定義から外れている場合には、複数の小売業で共通利用できる形式にマッピングして提供する。

 

 例えば、SCMラベルに印刷する項目の内容は、小売業ごとに異なるのが一般的だ。印字する店舗名をひとつ取っても「3文字以内」といったように、短縮印字が求められるケースも少なくない。しかし、流通BMSの発注メッセージは、店舗名の短縮印字には標準で対応しておらず、メーカーや卸売業は自社で変換インターフェースを用意しなければならなかった。こうした悩みも、RetailComPassを利用すれば、小売業ごとの要件に応じて変更された項目データが自動的に入手できる。

 

 商品の納品要綱についても、小売業ごとに詳細に決められていることが多く、取引区分名といった流通BMSの標準メッセージに新たな項目の追加を求められることがある。RetailComPassでは、こうした不足項目についても自動的に追加したうえでメーカーや卸売業に提供する。これらのサービスは複数の小売業に柔軟に対応できるため、取引先の小売業が増えたり、流通BMSに新たに対応したりした場合でも、迅速な対処が可能だ。

 

 クラウド型サービスであるRetailComPassは、申し込めば約1週間で利用可能で、あとは月額の料金を支払うだけと値段もリーズナブル。基幹システムとの連携も、RetailComPassとのインターフェースを一度開発するだけでよい。小売業が新規店舗を追加したり、物流センターのカバーエリアが区分け変更で変わったりした時などにも、RetailComPass側で一元管理しているので、利用者は更新の手間がかからず、自社で行っていた時のような修正ミスや修正漏れからも解放される。

 

 利用している各種アプリケーションとの連携も簡単で、サトーが提供するSCMラベル・値札発行システムの「LABEL-IDENTITI」、サトーが販売代理店を務めるインターコムのEDI受注システム「Biwareシリーズ」を組み合わせた流通BMSサービスもワンストップで提供できる。

 

 

パートナーとの協業によって今までにない新サービスを構築

 

 流通BMSデータ共通化サービス「RetailComPass」は、サトー、インテック、インターコムの3社によるコラボレーションから誕生した。基盤となるクラウド環境はインテックのサービスを利用し、EDIの受注システムはインターコムが提供している。

「サトーは、SCMラベルや出荷検品システムのベンダーとして、メーカーや卸売業との接点は多く持っているものの、インフラ基盤に関する技術は専業メーカーと比べると十分ではありません。そこで、20年以上にわたるVANの運用実績とEDIシステムの構築実績を持つインテックと、EDIや受発注業務に関して高い技術力を持ち、EDIシステムで20万本以上の実績を誇るインターコムに協業を提案し、3社でタッグを組んでサービスを企画しました」(高山氏)


 RetailComPassで利用するデータ補足・変換用の変換マスターには、サトーがSCMラベル・値札発行システムや、出荷検品(梱包データ生成)システムを通して、多くのメーカーや卸売業に提供してきたノウハウが盛り込まれている。従来はそれらを個々のユーザーごとに提供してきたが、クラウド化したことで一括対応が可能となった。インテックのネットワーク&アウトソーシング事業本部EDIソリューション部事業推進課の車谷真由美氏は「小売業・卸売業・メーカーに採用いただいている基盤サービスのノウハウを提供しています」と語る。

 




左:株式会社インテック ネットワーク&アウトソーシング事業本部 EDIソリューション部 事業推進課 車谷 真由美 氏

中央:株式会社サトー ソリューション推進部 ソリューション営業グループ 担当課長 高山 暁 氏

右:株式会社インターコム 営業本部 法人営業グループ マネージャー 五十嵐 浩一 氏

 

 

 RetailComPassはリリース間もないことから(取材時)、現在は採用実績を蓄積している段階だが、まずは出荷検品(梱包データ生成)システム「大車輪シリーズ」のユーザーの約半数を占めるアパレルベンダーを対象に導入を促進していく構想だ。2012年11月には「大車輪シリーズ」のクラウド版(SaaS版)もリリースする予定で、RetailComPassと合わせて文字通りのワンストップサービスが実現する。3社による協業体制は、さらに発展させる方向で進展しており、インターコム営業本部法人グループマネージャーの五十嵐浩一氏は「RetailComPassやクラウド版の大車輪シリーズは協業の第一歩。今後のさらなる展開に注目してください」と強調した。

 

 最後にサトーの高山氏は、物流の現場を支えてきた立場から、メーカー・卸売業に対して次のようなメッセージを送った。

「製造・配送・販売3者の業務を効率化し、最終消費者にモノを早く届けることが流通BMS本来の役割です。その目的を達成するためにも、メーカーと卸売業の視点で構築したワンストップサービスのRetailComPassを活用していただき、流通業界の発展に貢献していきましょう」

 


 <RetailComPass サトー・インテック・インターコム プロジェクトメンバー>

 

 

 

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