流通BMSの普及状況、今後の展望

流通BMSの普及状況

小売業の導入状況12年4月1日現在、流通BMSを導入したことを公開している小売業者は、スーパーが96社、百貨店、ドラッグストア、ホームセンター、生協事業連合を合わせると合計121社となっています。流通BMS協議会が11年9月~10月に実施したアンケート調査によると、小売の31%が「導入済」または「導入予定」と回答しており、「導入したい(時期未定)」まで含めると73%にのぼります。導入未定と回答した小売業者は、その理由として「投資効果が見えない」「取引先からの要請がない」などを挙げています。

卸・メーカーの導入状況12年7月1日現在、流通BMSの導入を公開している卸とメーカーは合計で175社ですが、外部に公開していない企業もかなりの数にのぼります。そこで主要IT企業が出荷した通信ソフトと、サービス(ASP/SaaS)の接続先数から導入企業数を推測すると、全体で4015社という結果となっています。(12年6月現在)

今後の展望

製・配・販連携と流通BMS11年5月に経済産業省の支援により、消費財分野におけるメーカー(製)、卸(配)、小売(販)の3者による「製・配・販連携協議会」が発足し、業種業態の垣根を越えて流通構造の改革を目指す取り組みが始まりました。その中で、参加50社が「流通BMS導入推進宣言」を発表。情報連携の強化によって流通BMSの導入拡大を促進し、積極的な情報公開によって普及に努めることを宣言しました。以降、流通 BMS 導入宣言書に賛同した企業が個別に導入・拡大計画を発表し、着々と導入を進めています。そのため、12年以降は流通BMSへの対応が急ピッチで進むと予測されています。

ネットスーパー用の商品画像の標準化近年、ネットスーパーの利用が拡大し、スーパーマーケット各社はサービスの充実に力を入れています。しかし掲載する商品画像の規格に決まりがないため、各社がばらばらに運用し、労力とコスト増につながっています。そこで現在、日本チェーンストア協会がネットスーパー用の商品画像規格の標準化を検討中です。流通BMSではこうした用途に対しても貢献が期待されています。