流通BMSとは

流通BMSとは

流通BMSとは、「流通ビジネスメッセージ標準(Business Message Standards)」の略で、流通事業者(メーカー、卸、小売)が統一的に利用できるEDIの標準仕様です。経済産業省の「流通システム標準化事業」により、07年4月に制定されました。流通BMSに対応することで流通事業者は、発注、出荷、受領、検品、請求などのデータを高速かつ低コストで交換することができます。

流通BMS導入の狙い

老朽化した通信手順の置き換えJCA(日本チェーンストア協会)手順は、通信速度が遅い、電話回線でネットワークにつなぐための通信機器(モデム)が入手しにくい、漢字や画像が送れないといった欠点がありました。流通BMSでは、老朽化した通信手順に代わる手段としてインターネットを採用。これによって通信時間の短縮や通信コストの削減が実現します。モデムも不要となり、漢字や画像も送信できます。

業務プロセスとデータ書式の標準化小売各社が個別の業務プロセスとデータ書式を用意していると、取引先のメーカーや卸売業者は、各社の仕様に個別対応しなければならず、負担は増加します。それが結果として、流通サプライチェーンの全体最適化を阻害する要因になっていました。流通BMSでは、小売、卸、メーカーの3者が共通の業務プロセスとデータ形式を使ってやりとりできるようになるため、EDI導入までの工数とコストの削減が実現します。その結果、業務の効率化が進み、流通サプライチェーン全体の最適化が促進されます。

流通BMSで何が変わるのか

通信インフラが変わる流通BMSは、通信手段にインターネットを採用しています。そのため、従来のJCA手順より通信速度が速く、通信コストの低減が実現します。

標準化が進展する流通BMSでは、メッセージが標準化されているため、システムの開発が容易で、本番稼動までの期間短縮と開発工数の削減が実現します。

EDI取引が進展するメッセージをデータで交換することで、伝票レス、データ精度の向上、仕入確定の早期化などが実現します。

流通BMSを導入することで業務の効率化、経営状況の見える化、製配販の情報連携の実現が期待できます。企業の社会的責任(CSR)や事業継続(BCP)の観点からも、流通BMSの導入は大きなメリットをもたらします。