流通BMSの背景

JCA手順の問題点

企業間のオンライン受発注を実現するJCA手順は、日本チェーンストア協会によって1980年に策定されました。

また、インフラに電話回線を使っているため、通信速度は2400bps/9600bpsと、ブロードバンド環境が整備された現在ではあまりにも遅すぎます。小売との間で大量のデータをやり取りする卸・メーカーでは、発注の受信だけで1時間、2時間かかることもありました。

インターネットが普及した今、電話回線で利用するための「モデム」が入手困難となり、故障した時にモデムが手に入らなければ受発注業務ができなくなってしまいます。

流通BMS導入の背景

現在の流通では受発注の方法に、電話、FAX、EDIなどがあります。また、EDIに関しても、データフォーマットは小売業ごとにばらばらで、卸・メーカーでは個別にシステムを開発するというロスが生じています。

そこで、業種、業態を問わずあらゆる流通事業者が、標準化されたの通信手段とフォーマットでデータを交換することにより、個々の対応をなくし、コスト削減を目指して策定された標準規格が流通BMSです。

流通BMS策定までのプロセス

JCA手順に代わる新たなEDIが検討されたのは、05年までさかのぼります。きっかけは、日本チェーンストア協会と日本スーパーマーケット協会が開催した「合同情報システム委員会」でした。ここで次世代EDIの標準化を検討することが合意され、05年8月に両協会加盟社が参加した「次世代EDI標準化WG」が発足します。

06年度からは経済産業省の委託事業により、多くの業界が参加して標準メッセージの策定と共同実証を実施。07年4月に次世代EDIを「流通BMS」と命名し、Ver1.0を発表しました。

その後も業界団体が主体となって設立した流通BMS協議会で検討を重ね、09年10月に生鮮メッセージを統合した最新のVer1.3が公開となりました。