U.S. Soy Susutainability Special Appreciation Award アメリカ大豆と日本企業 環境課題への取り組み

 国内の大豆加工食品を支えるアメリカ大豆は、サステナビリティ認証プロトコル(SSAP) により、持続可能な大豆の供給を実現している。SSAPに貢献したメーカーに授与される「サステナビリティ特別感謝賞」を受賞した、三好食品工業、マルキン食品の代表に話を伺った。

アメリカ大豆サステナビリティ特別感謝賞受賞 三好食品工業





日本豆腐協会 会長
三好食品工業 代表取締役
三好兼治氏

 

大豆生産者と連携さらに強化

 これまで20年間にわたり、アメリカ大豆の生産者と接点を持ち、豆腐の製造に適した高タンパクな大豆を共同で開発してきました。今回受賞できたのは、大豆を安定供給してくれる生産者やサプライヤーのおかげであり、心より感謝を申し上げます。

 

 当社の商品では木綿豆腐などで「サステナビリティ認証プロトコル(SSAP)」で認められたアメリカ大豆を使用しています。SSAPは、豆腐製造の主原料である大豆が、環境に配慮した方法や健全な労働環境で生産されていることを可視化し、SDGs推進や社会課題の解決を、事業戦略の中核に据えていくためにも、必要不可欠な取り組みです。一方で、SSAP認証の活用はサプライチェーン全体を管理して、ものづくりをするためのチャンスでもあるため、今後SSAP認証付き商品の市場への投入数を増やし、皆様にこの取り組みの価値を知っていただきたいです。

 

 また、私が会長を務める日本豆腐協会では、豆腐作りに最適なアメリカ大豆を安定的にサステナブル調達することを目的とした「TOFU FUTURE PROJECT」を推進しています。アメリカでの品種開発の速度は目を見張る速さで、年間に数百もの新種が生まれています。こうしたなか、大豆の適性を迅速に分析し、大豆生産者にニーズをフィードバックして、連携をさらに強化したいと考えています。

 

 海外ではプラントベースフードとして豆腐が注目され、日本生まれの「TOFU」文化は確実に広まっています。当社では時代に合った生産方式を取り入れて、環境負荷の低減を図りつつ、これからもお客様に喜んでいただける豆腐を届けていきます。

 

三好食品工業では「木綿豆腐」「ソフト豆腐」がSSAP認証付きの商品だ。

 

アメリカ大豆輸出協会副代表の立石雅子氏より、サステナビリティ特別感謝賞が授与された。

 

 

アメリカ大豆サステナビリティ特別感謝賞受賞 マルキン食品






マルキン食品
代表取締役社長
吉良扶佐子氏


特別な原材料 消費者にアピール

 当社では納豆の原料となる大豆の多くを、アメリカの生産者から提供いただいています。このたびの受賞は、生産者やサプライヤーの力添えによるもので、心より感謝いたします。納豆を生産するための大豆は、気候や土壌などにより味が変わってくるため品質が安定しにくく、現地の生産者に大変な苦労をかけています。粒の大きさなど試行錯誤のうえ、当社の商品に適した大豆を継続して栽培いただいています。

 

 現在、SSAP認証付きのアメリカ大豆を使用している商品では、PBを含め8商品を導入しています。納豆における認証マーク付きの商品としては国内では一番多く、今後も数を増やしていく方針です。SSAPは環境だけでなく、人権や労働環境にまで配慮したサステナブルな取り組みを証明するものです。人権のような私たちが関与しにくいことまで監査を行い、サステナビリティを推進していることに敬意を表します。さらにSDGsが注目を浴びるなかで、SSAP認証付きの大豆は、消費者に対して特別な原材料を使用していることのアピールとなり、これからの時代にマッチした商品であると考えています。

 

 また、当社では規格外品を農業高校で活用する飼料として提供、納豆容器には、紙カップやトップシール容器を採用してプラ削減を推進するなど、循環型社会実現への取り組みを行っています。今後は海外市場を視野に入れ、冷凍技術の研究などを通じて、日本が誇る健康食として納豆を海外向けに認知拡大させていくつもりです。

 

「元気納豆昆布たれ付」など、8商品がSSAP認証付きの商品となっている。

 

 

アメリカ大豆サステナビリティ認証プロトコル(SSAP)

 「サステナビリティ認証プロトコル(SSAP)」は、環境への負荷が少なく、サステナブルな方法で生産・管理された大豆に対して証明する認証制度だ。この制度は80年の歴史を持つ、サステナビリティと保全に関する連邦政府の法規制に基づいていて「生物多様性と生態系の維持」「サステナブルな生産活動」「生産農家の労働環境改善」「生産活動と環境保護の継続的改善」という4つのルールがある。これは大豆生産者による日々のサステナブルな生産慣行や、保全プログラムへのコミットメントの見える化の取り組みともいえる。

 

 日本に輸入されているアメリカ大豆のうち、約96%にあたる約190万㌧が、SSAP認証付きの大豆だ。SSAPではSDGsのうち6つの目標を共通の最重要課題として特定。特に力を入れている分野は、土壌の健康、水の管理、CO2の削減である。

 

SSAP認証ロゴ付き商品でブランド価値を向上

 SSAP認証ロゴの付いた大豆商品は、サステナブルな原料を使用しており、CSRやESG面でもアピールができる。現在、日本国内外ではSSAP認証ロゴの付いた商品が、300品以上流通している。SDGs達成のためにも、認証マークを商品パッケージに印刷して付加価値向上を目指し、販促活動に取り組むメーカーが増加中だ。より信頼できるサプライヤーを特定、ステークホルダーとの信頼強化など、サステナブルな調達の可視化に取り組むメリットは数多い。



アメリカ大豆輸出協会 U.S. Soybean Export Council
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