日本とアメリカをつなぐ安全でおいしいサステナブルな大豆

 日本の大豆加工食品を支える安全でサステナブルなアメリカ大豆。穀倉地帯から河川や鉄道を利用し、海運を経て日本に輸入され、納豆や油揚げなどの原料となっています。その大豆から優れた商品を生産し「第25回全国納豆鑑評会」でアメリカ大豆部門特別賞(レッドリバーバリーU.S.賞、アメリカ大豆サステナビリティ アンバサダー賞)をダブル受賞したマルキン食品。さらにサステナビリティ認証プロトコル(SSAP)に貢献した企業におくられる「サステナビリティ特別感謝賞」を受賞した、オーケー食品工業、べジプロフーズの各企業にお話をうかがいました。

 

 

 

 

納豆向きの大豆を生産者と共同開発

アメリカ大豆サステナビリティ アンバサダーアワード 

レッドリバーバリーU.S.アワード

【マルキン食品】

 

 第25回全国納豆鑑評会にて、アメリカ大豆部門特別賞をダブル受賞し、真摯に商品製造に取り組んできた成果が認められ、大変光栄に感じています。熊本市に本社があり工場が被災するなど、震災の影響は大きく、厳しい時期もありましたが、当社の人気商品「元気納豆 昆布たれ付」が評価されたことは大きな励みとなっています。従業員一同と危機を乗り越えた努力が実を結んだかのようです。

 

 納豆の原料となる大豆は、粒のばらつきが少なく、品質が安定している必要があり、気候などにより味が変わってきます。そこでアメリカ大豆の生産者やサプライヤーと綿密に連携を取り、当社の商品に適した大豆を共同開発し、供給いただいています。

 

 受賞商品は「サステナビリティ認証プロトコル(SSAP)」付きの大豆を使用し、認証マークも付けています。SSAPに関しては、とにかく管理方法や規則を徹底していて、トレーサビリティに配慮し、安心・安全な信頼できる大豆を生産・輸出しているという認識です。私自身、アメリカに在住していたのですが、環境問題やサステナブルへの取り組みという点では、日本より進んでいて市民の意識に根付いています。アメリカ大豆の生産者の方々も例外ではなく、土壌保全、水管理、温室効果ガス削減など、環境面に配慮しながら高品質な大豆を生産していることは、とても参考になっています。

 

 このような動きに触発されて、当社でもサステナブルな取り組みを行っています。3R(リデュース、リユース、リサイクル)活動や、ペットボトルを減らすためにロゴ入りのマイボトルを製作。社内に外部講師を呼んで勉強会を行うなど、環境に配慮するライフスタイルを会社全体で推進しています。また、震災を契機としてアメリカ大豆を原料に、フリーズドライ製法で、においをおさえた納豆商品を開発。非常食として活用できるようにしました。

 

 今後はアメリカやアジアなど海外への進出を拡大して、ヘルシーな栄養食品としての特性を生かし、グローバルに受け入れられる納豆研究を進め、広く親しまれる商品を提供していきたいと考えています。

 

 

マルキン食品
代表取締役社長
吉良 扶佐子 氏

熊本市出身。フロリダ大学ビジネスファイナンス専攻。米国AT&T社でマーケティング担当マネージャー。2016年10月からマルキン食品代表取締役社長を務める。


「元気納豆 昆布たれ付」はアメリカ大豆部門特別賞をダブル受賞。SSAP認証付き大豆と北海道産の昆布を使用している。

 

「アメリカ大豆サステナビリティ アンバサダー」賞は、全国納豆協同組合連合会、アメリカ大使館の協力によって創設されました。「地球にやさしいアメリカ大豆を使用していることの証明書を取得しているIP(分別流通)大豆」を使用して作られた納豆のうち、最高得点の商品に与えられる賞です。

 

 

海外への進出に活用

アメリカ大豆サステナビリティ特別感謝賞

【オーケー食品工業】【べジプロフーズ】

 このたびはオーケー食品工業と、子会社であるベジプロフーズが「アメリカ大豆サステナビリティ特別感謝賞」という立派な賞をいただき大変光栄です。当社には油揚げの製造に適した、良質で安心・安全なアメリカ大豆を安定的に供給いただいています。現地サプライヤーとの相互信頼関係も築けており、安心して契約栽培をお願いできる関係にあります。

 

 当社ではSSAP認証付きのアメリカ大豆を使用しています。大豆生産者が自然資源保全局、アメリカ大豆輸出協会の支援のもと、昔から環境保全の取り組みがあること、日本とは違った耕作環境に適した農法を確立、さらに先を目指していることに感銘を受けました。生産した油揚げは、国内のみならず世界約30の国と地域に輸出しています。ヨーロッパの大手外食チェーンや食品輸入業者では「使用する原材料は労働者と地球環境に配慮した場所で生産されていることに同意する」という確認項目があります。この項目を保証するものとして、SSAPが強みを発揮し、現地でも当社の油揚げが採用されています。

 

 今後、国内外の幅広いニーズにお応えし、安心・安全の食品を届けるため、これからもSSAP認証付き大豆の必要性は高まるものと思っています。主力商品である味付け油揚げを、海外にも幅広く展開し日本食の伝統を後世まで引き継いでいきたいと考えています。今回の受賞を機に、原料大豆のみならず、全社的なSDGs活動を推進し、より一層の環境負荷低減に取り組んでいく予定です。

 

オーケー食品工業
べジプロフーズ
代表取締役社長
大重 年勝 氏

 

きつねの耳を模した三角形の味付あげは、いなりずしのほか、うどんやそばのきつね揚げとしても使用できる。SSAPを取得したアメリカ大豆を使用。

 

 

現地視察の経験を生かす

 味付け油揚げの製造メーカーに勤務し、大豆や大豆油は身近なものでしたが、特性や機能性までの知識は少なく、漠然と使用していました。そこで「ソイオイルマイスター」を取得。米国視察研修プログラムに参加し生産者の農場を訪れると、その多くが家族経営であることに驚かされました。大規模農業に圧倒される一方、それを可能にするのが巨大かつ精密技術を駆使したハイテクノロジーな装備のトラクターなどの機械類と、大豆サプライチェーンによる緻密な連携の成果だと感じました。SSAPでは4つのルールがありますが、特に生産者は次世代への環境保存を意識していて、そのための制度であることが印象に残っています。現地で長年続くサステナブルな農法を知り、その大豆を輸入・使用する大豆サプライチェーンの一員として、SSAP認証マークの使用を決めました。


べジプロフーズ工場長
ソイオイルマイスター
小沢 学 氏

 

 

安心・安全で信頼できる大豆の証し「アメリカ大豆サステナビリティ認証プロトコル(SSAP)」

 アメリカ大豆輸出協会(USSEC)は、2013年から「サステナビリティ認証プロトコル(SSAP)」制度をスタートしている。環境への負荷が少なく、サステナブルな方法で生産・管理された大豆に対して証明書を発行するシステムで、80年の歴史を持つサステナビリティと保全に関する連邦政府の法規制に基づいている。昨年の11月時点で、日本に輸入されているアメリカ大豆のうち、約8割にあたる約195万㌧が、SSAP認証付きの大豆だ。

 認証ロゴの付いた大豆商品はサステナブルな 原料を使用しており、CSRやSDGsの面でもアピールができる。SSAPではSDGsのうち6つの目標を共通の最重要課題として特定。特に力を入れている分野は、土壌の健康、水の管理、CO2の削減である。

 現在、日本国内外ではSSAP認証ロゴの付いた商品が、300品以上流通している。SDGs達成のためにも認証マークを商品パッケージに印刷して、販促活動に取り組むメーカーが増加中だ。さらにブランド価値を向上、より信頼できるサプライヤーを特定、ステークホルダーとの信頼強化などサステナブルな調達に取り組むメリットは数多い。

 

 

「サステナブルに生産されたアメリカ大豆」の認証マーク

 

 

アメリカ大豆輸出協会 U.S. Soybean Export Council
東京都港区虎ノ門1-2-20 第3虎の門電気ビル11階

     【お問い合わせ】 03-6205-4971  http://ussoybean.jp/

 

ソイオイルマイスター検定 の詳細はこちら
http://ussoybean.jp/soyoilmaster/index.html