【サントリーマーケティング&コマース × アイル 緊急対談】企業間取引のデジタル化でB to Bの働き方改革を加速せよ! 電話・FAXによる受発注業務をB to B専用ECで効率的に。テレワーク・BCP対策にも。

2020.4.15

サントリーマーケティング&コマース株式会社
市場開発本部
企画開発グループ 通販企画チーム
課長

谷内 一樹 氏

株式会社アイル
BtoB EC 推進統括本部

江原 智規 氏

記事概要イメージ画像

 2020年4月より働き方改革関連法案における「時間外労働の上限規制」が、中小企業にも適用される。働き方改革の本質は、「残業をしないこと」ではない。いかに生産性を高め、会社の利益に貢献するか、その手段として働き方改革を捉えることが重要になる。サントリーグループを中心とし、酒販店などクライアント各社のマーケティングパートナーとしてのブランディング支援、モノとサービスによる飲食店支援などの事業を手掛ける、サントリーマーケティング&コマース。同社はB to B EC(Electronic Commerce)にアイルの「アラジンEC」を導入し、電話対応件数の1万件削減、FAX受注業務の工数8割削減など大きな成果を上げている。成功の秘訣は、同社の取引先である酒販店を強く意識したシステムづくりにあった。同社とアイルのキーマンが、B to Bにおける働き方改革の真の意義や、課題解決に向けたポイントについて語り合った。

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B to Bの働き方改革は取引先を含めた全体最適の観点が重要

江原氏

 サントリーホールディングスは、働き方改革を通じて成長を目指す先進企業を選ぶ「日経スマート・ワーク大賞2020」において2年連続で大賞を受賞されています。グループ会社として、サントリーマーケティング&コマース(以下、SMC)様では、どのように取り組まれていますか?

 

谷内氏

 サントリーグループでは働き方改革を積極的に推進しており、在宅勤務などのテレワーク、時差出勤、会議時間短縮、ダイバーシティなど様々な取り組みを行っています。その一環として、当社でも2017年に働き方改革プロジェクトを立ち上げました。当社の働き方改革における大きなテーマは、生産性を向上し利益に貢献することです。テレワークなどで創出した時間を使って、社員一人一人が自分を磨き、成長していくことに働き方改革の真の意義があると考えています。

 

江原氏

 おっしゃる通りだと思います。働き方改革をどう捉え、取り組んでいくかは、今後の企業成長の分岐点になるのではないでしょうか。当社は、システムソリューションとWebソリューションを軸に、中堅中小企業様の企業力アップを支援しています。企業経営の観点では、2020年4月より「時間外労働の上限規制」の中小企業への適用は、非常に重要な課題です。この課題に対し、「残業をこれ以上してはいけない」という後ろ向きの観点から、勤怠管理に重きを置く企業も多くあります。大事なのは、業務の棚卸を行い、無駄な作業をなくし業務プロセスを改善することで、短時間でも成果が出る仕組みをつくることです。

 

谷内氏 

 B to Bで働き方改革に向けて、業務プロセス改善を行う上で難しいのは、上流工程のお客様との契約や条件までを変えないと、全体最適による大きな成果を実現できないという点です。当社の場合、居酒屋、バー、レストランなどの飲食店様がお店で使用する什器備品、例えばグラスや食器などの提案・販売を、全国の酒販店様を通じて、または飲食店様に直接行っています。常時お取り引きいただいている数万件の酒販店様と、当社との間での受発注業務を、電話・FAXからデジタルに移行できれば業務の大幅な効率化を実現できます。

 

 しかし、酒販店様の業務変更を伴うため、ECシステムの展開は容易ではありません。2014年にECプロジェクトを立ち上げたとき、「酒販店様が使いやすく、酒販店様に付加価値をもたらす」ことを最も重視したのは、酒販店様がシステムを使いにくいと感じ、当社とのお取り引きから遠ざかってしまうことを恐れたからです。B to Bにおける働き方改革は、自社だけでなくお取引先も含めた全体最適の観点が大切になります。

 

 

どの業務をどのようにシステム化させるかの見極めが生産性向上のカギ

江原氏

 これまでのFAXや電話による受発注では、SMC様、お取引先様においてどのような課題がありましたか?

 

谷内氏 

 酒販店様は、発注のたびにFAX用紙に記入する手間がかかります。FAXで受注した当社は、FAX用紙から基幹システムへの入力はもとより、ミスを防ぐためにトリプルチェックを行うなど多くの工数を要します。また電話による発注は、コールセンターの営業時間「午前9時から午後5時30分まで」という時間的制約があります。

 

 当社において商品発注のベースとなっているのが、当社発行の年刊カタログ「PROTOOLS(プロツール)」です。酒販店様からは、「PROTOOLSを持って営業するのは重くて大変」、「持参するのを忘れたら営業もできない」、「スマートフォンを使ってWebで簡単に発注できる方法はないのか」といったお声もいただいていました。Webから注文できる仕組みも用意していたのですが、モバイルやクレジットカードには非対応でした。当社と酒販店様の両方の課題解決を目指しECシステムを導入しました。

 

江原氏 

 利用者視点を重視するB to B ECの構築において、ECシステム選定ではどのようなポイントを重視されましたか?

 

谷内氏 

 B to Bのシステム開発事例が豊富であること、パッケージでできる範囲も多くて、なおかつカスタマイズの要望にも応えていただけることを重視しました。複数社を検討する中で、最終的にはECシステムというよりもパートナーを選択したといったほうが正しいと思います。アイルさんなら「一緒にやっていける」、そう確信できたので「アラジンEC」の採用を決めました。

 

江原氏 

 当社が約30年間にわたって、B to B事業を行うお客様の基幹業務システムを、開発、構築してきた経験とノウハウが、アラジンECの土台となっています。また、B to B事業といっても、会社様によってビジネスの仕方は様々です。標準機能を充実させながら、柔軟にカスタマイズができるというのがアラジンECの大きな特徴です。

 

 日本のB to Bにおける企業間取引は複雑で、まだまだ無駄が多くあります。重要なポイントは、パッケージという箱を導入するだけでは、生産性の向上を実現できないという視点です。当社ではお客様の業務分析を行い、どこをシステム化することで効果を最大化していくかを含めた提案を行っています。SMC様の場合、谷内さんを中心にECプロジェクトで業務の見直しが行われていたことから、すぐにシステム化の議論に入ることができました。

 

谷内氏 

 システム化でポイントとなったのが、日常業務で常態化しているルールの見直しでした。例えば、電話での注文対応において、従来はお客様から「いつもの」と言われても、前回の注文データを確認して対応していましたが、ECサイトの注文履歴から再注文していただくことで「いつもの」と同じ手軽さを実現できるわけです。また急なご注文にも可能な限り対応していましたが、「いつまでの発注でこの納期」ということを明確にしました。

 

 アイルさんと当社のメンバーで話し合って、このルールはアラジンECに寄せましょうとか、このルールはこのままやりたいのでカスタマイズしてくださいと、取捨選択しながらアラジンECを当社のECシステムにつくりあげていきました。

 

 

電話対応件数を年間1万件削減、FAX受注業務の工数8割削減 状況に応じた在宅勤務なども柔軟に対応できるように

江原氏 

 2016年1月に「アラジンEC」をベースとする什器備品の総合通販サイト「PROTOOLS WEB」の公開がスタートして以来、この4年間で大きな導入効果が出ているとのお話を伺っています。

 

谷内氏 

 導入効果として最もわかりやすいのが、年間でコールセンターの電話対応件数を1万件削減できたということです。今では、コールセンターのスタッフがセールスやフォローを目的にアウトバウンドコールを実施したり、酒販店様からのお問い合わせに対して営業担当者の代わりに商品の説明を行うなど、ビジネスに直接貢献する業務にも対応できるようになりました。

 

 また、FAXによる受発注がWebへと移行したことで、基幹システムへの手入力やトリプルチェックなどの作業が不要になり、8割の工数削減が図れました。仕組みとしては、「PROTOOLS WEB」の各酒販店様専用ページから発注されたデータが基幹システムに入り、在庫引当を行い、在庫の有無をメールで酒販店様に送付し、出荷の際も出荷メールが酒販店様に届きます。

 

 そのほかにも、企画チームや商品開発チームは、タイムリーに情報発信や商品開発を行えるため、より創造的な業務に力を発揮できるようになりました。さらに「PROTOOLS WEB」の情報を充実させることで、酒販店様から営業へのお問い合わせ件数を削減し、本来業務である提案活動に集中するための時間を創出することも可能です。

 

 勤務形態といった面においても、受注業務をWeb上でできるようになったことで、お子様のいる社員などが在宅でも働けるようになりました。新型コロナウイルスの影響による在宅勤務推奨の際にも柔軟に対応に移せたことは大きいと思っています。

 

 

取引先が便利に利用できるだけでなく、売上拡大の一助にも

江原氏

 「PROTOOLS WEB」の公開は、酒販店様にどのような効果をもたらしていますか?

 

谷内氏 

 酒販店様がいつでもどこでも利用できるように、また当社の観点では新規顧客の開拓につながるように、誰でも閲覧できるオープンなECサイトとしました。酒販店様はIDとパスワードを入力することで、自社専用のページにアクセスし、必要な商品の発注が行えます。閲覧時間などから、スマホなどを使ってスキマ時間を有効に活用されていることがわかっています。

 

 また、必要な商品をカゴに入れてボタンをクリックするだけで見積書が作成できる機能もよく利用されています。以前まで見積は仕入用と卸販売用の2パターンを求められることもあり、見積作成までに時間を要することもありましたが、酒販店様にて簡単に見積書を出力できるようになりました。さらに業種・業態に合わせて、当社が販売支援のために作成した提案書をダウンロードし、売上拡大に役立てているというお話もお聞きしています。

 

 

新型コロナウイルス禍で、多大なダメージを受けている″外食“関係者に寄り添いたい

江原氏

 新型コロナウイルスの感染拡大で緊急事態が宣言され、自粛要請や営業時間の短縮、客足の鈍化などが連日報道されています。

 

谷内氏

 休業をいち早く決められた大手の飲食チェーン店様もありますが、個人経営の飲食店様は本当に困窮されており、我々も心を痛めております。これまでやられていなかった昼営業でランチを提供されたり、夜営業ではテイクアウトを始められたり、資金確保を図る努力で苦境に立ち向かっているとのお話をお聞きしています。

 

 そうした努力に報いるため、国税庁では、「期限付酒類小売業販売免許」の交付をはじめました。 これにより、従来開栓前の酒類は販売が制限されていたものが、料理のテイクアウトのみならず、ビールやワイン、清酒・ウイスキーなどの酒類でも売上を立てる目途を立てられることになります。 

 

 当社としても、従来のグラス類に加え、テイクアウト用の容器やポリ袋のラインナップを充実させました。またご来店いただけるお客様のみならず、店舗・従業員様の衛生面を考慮した消耗剤も確保に勤しんでおります。

 

 

 

 

 

B to Bのその先へ、取引先との持続的成長を描いていく

江原氏 

 谷内さんのお話を伺い、取引先である利用者視点の重要性を改めて再認識しました。アラジンECの機能強化プロジェクトでも「見やすい」「わかりやすい」「使いやすい」をより意識して今後も継続的に進化させていきたいと考えています。

 

谷内氏 

 現在、お取引いただいている酒販店様の中で、「PROTOOLS WEB」を発注業務でご利用いただいている会社様は半数です。今後、利用のすそ野を広げるために、酒販店様視点でさらなる機能強化を図っていきます。また酒販店様のその先へ、B to B to Bを視野に入れて改善を行うことで、当社と酒販店様の持続的成長を描いていくことも重要なテーマです。

 

 働き方改革の肝は、「いかに人の価値を高め、生産性を向上させていくか」にあります。B to B ECシステムはそれを実現するための有効な手段の1つです。当社はもとより酒販店様の働き方改革の推進に貢献するべく、アイルさんと一緒にこれからもチャレンジしていきたいと思います。

 

 

 

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